「東京から来ました、井上 陽介です。バスケ部です。よろしくお願いします」
バスケ部か〜同じじゃん
お辞儀をした井上君は、周りをキョロキョロ見渡す。私とも目が合ったし、貼り紙とか、先生とか、たくさんのものを見ていた。
「誰か井上に質問はあるか?ちゃんと節度ある質問をしろよ。」
先生がみんな問いかけると、女子たちが耳打ちをしだす。だいたい質問って目に見えてるよな〜なんて思いながら見ていると
「は〜い」
と派手目な原口 ユリが手を上げる。先生が許可すると、
「彼女いますかー?」
こんなにイケメンだもん、聞きたくなるよ。
ちょっと私も、聞きたいし。
「.......います」
渋々、恥ずかしそうに答える井上君に、皆はショックながらもその様子にキュンキュン。
そっか、いるのか.......
別に好きでもないし好みでもないのに何でだろう、なんで落ち込んでるんだろう。