大丈夫なのは分かったけど……どうにもこの状況に耐え難い私は
榊さんを起こそうとした時。



「あぁ〜起こさないで!やっと寝たばっかりだから」



手に水の入ったコップと薬を持ってこちらに歩いてくる。


確かこの人は……。



「えっ…と……優斗さん?」


「俺の事知ってるの?」


「いや榊さんが言ってて……」


「ん?夏目が?…………あぁ、あの時!」


合点が合ったのか大声を上げて納得した。


「っち……うっせぇな」


すると榊さんが鬱陶しそうに起き始めた。


「あっ悪ぃな……つい」


「ついじゃねぇよ……」


「謝ってるじゃねぇかよ!そんな怒んなよ!」


「誰も怒ってねぇよ……」


二人でじゃれ?始めたから私はまた置いてけぼり……。

黙って二人のことを眺めていたら。


「あっ……ごめん、忘れてた」


忘れてたって……。

地味に傷つく……。


「あっいえ……別に」


「それより…夏目。そろそろ離してやりなよ。その手」


「……あぁ」