次に私が起きたのは夕方過ぎた頃だった。
「ん……ここはどこ?」
見覚えのない場所に恐怖感に浸ってしまう。
あれから何があったのかよく思い出せない。
それに発作は治まってて……。
意識がはっきりした時左手に暖かい温もりが広がった。
「……っ誰?」
上半身をベッドに預けて寝ていて。
私の左手を離さないとでも言うようにギュッと掴んでいる。
この人って……さっきの。
「名前……榊…さん」
うっすらと残っている記憶からその部分だけを思い出す。
「助けてくれたの……?」
返ってこない答えに無意識に握っている手に力を込める。
「…っ……ん」
あまりにも力を入れ過ぎたのか榊さんが顔だけを寝返りする。
それでも何故か私の手だけは離さない。
望夢以外に手を握られても……大丈夫?
他人で何も知らない人に触られてても平気な自分が
いて少しびっくりする。