「申し訳ないけど、破棄はしない。離婚は無理よ。」
私は夫婦関係契約書を斗真に付き返すように返した。
「…沙絵がそうなら分かった。破棄はしない。でもお前分かってるのか?俺はお前以外の人に好意があるんだぞ?」
「わかってるわ。でも、その女性もどうかしら?斗真が結婚してるの分かってるの?」
「…分かってる。今お前と契約夫婦してることも全部話した。もちろん合意が無ければ離婚出来ないのも伝えてる。」
彼の真剣な顔を見て、本当に彼女を想っているのは伝わってきた。
だからこそ
私は
絶対に破棄には合意しない。