「どちらかが一方的な意見を押し付けるのは俺も良くないと思った。だからこそこの契約書が必要だと思う。」
夫婦関係契約書。
斗真は円満離婚を望んでいるけど私の意見を汲み取り夫婦関係は続ける。
そこには人としての愛情や尊敬はあるけど「愛し合う夫婦」だからこその信頼や愛情が存在しない。
「夫婦」というお互いの役割のもと業務が遂行される。
それはまるで仕事…
「コレがお互いの意見を尊重した答えだと思う。沙絵がこれで納得してくれるなら俺も意志が固まる。」
私には斗真と離れる選択はない。
だから私には答えは出てる。
「分かったわ。これからよろしく。」
夫婦という形に縛り付けられて、本当は取り戻したかった、またいつかは自分に戻ってくるだろうと思っていた斗真からの夫婦としての信頼や愛情…
これがまさかあんな形で崩れていくなんて考えてもみなかった。