「君は、何者なんだ?」
コポコポと音を立てて紅茶を入れる少女を見ながら、呟いた。
「ふふっ」
なんて生意気な奴なんだ。此奴は。
僕は少女を睨んだ。
「そんなに怒らないでよ〜笑 私は琹って言うの!あなたの名前は??」
「言うわけないだろ」
ヘラヘラしていて呑気な琹とか言う奴への怒りはなかなかのものだった。
「まあ名前はいいや!それより何であんな所に倒れてたの?君、ずっと頭と胸を抑えてたけど、」
あのとき、急に胸が苦しくなって、頭痛がして、、倒れた。
あれは何だったんだろう。
「何でだろうね。僕も分からない。それよりここは何処なんだ?」
「ここはね、私の家だよ!お父さんとお母さんと住んでたんだけど、ね、、」
「僕と一緒だね」
僕は小さく呟いた。
「君、も??」
「うん。僕も両親が居ないから」
僕ははっきり言ったことに驚いたのか、琹は目を丸くした。
「寂しくないの?」
どうなんだろう。
僕は寂しいのか?
悲しいのか?
正直、よく分からなかった。
ただ、僕は可哀想な奴なんだと思った。
生きる意味も見い出せず、死にたいのに死ねない。
親もいなければ友達と呼べる奴も居ない。
なんて可哀想なんだろうか。
僕は自分でそう思った。
「寂しくないよ。寂しそうな奴なだけだ」