「う...」
僕は呻きながら重い体を起こした。
「なんだ、夢か。」
何の変哲もない真っ白い天井を見て悟った。
すると、誰も居ないはずの向こうの部屋から、パタパタと足音が聞こえてきた。
「あ!起きたんだ!!」
多分、意識を失う直前に聞こえた声の主だろう。
茶色い長い髪に透き通った瞳の少女が居た。
「...誰だ?..いっ...」
その瞬間、頭に鋭い痛みを感じた。
「もう!無理しちゃダメだよ!」
その少女は、僕を寝かせようとした。
「やめろよ!!!」
僕は目を見開いて怒鳴った。
やってしまった。
そう思い俯いたそのとき。
「ごめんごめんっ!でも無理は良くないよ!今は休んで!」
僕は驚いた。
今まで、僕を心配してくれた人は一人も居なかったから。