「じゃあ、帰ろう。」
「うん!」
「無理はしないで下さいね、」
僕は、病院の出口を琹と共に通過した。
入院せずに帰宅出来ると琹から聞いたとき、僕は内心驚いた。
もしかして内緒で抜け出してるんじゃ無いか?と最初は疑っていたが、先生が送り出しに来るところを見ると、それは無さそうだ。
あれだけ苦しそうな琹を見てしまうと、どうしても不安になってくる。
でも、大丈夫だろう。
僕は琹と並んで歩き出し、またこんなことを思った。
この光景、前にもあった気がする、と。