あの人か。 視界の隅に映ったのは、琹が連れて来るように言った青木先生。 「先生。...茅野琹さんが起きました」 「ああ、茅野さんか。教えてくれてありがとうね」 走って病室へ向かう先生をよそに、僕はその場に立ち尽くしていた。 どうして僕は、栞の名前を知ってるんだ?