「あ、あの、えっと、」
え?え?え?今何が起きてるの?
目の前に、高梨さん?

その瞳は優しげに私を見下ろしていて、何だか泣きそうになってきちゃう。

奇跡だよ。そんな言葉が、頭に浮かぶ。
私にそんな視線を送ってくれるなんて。

2年間で今、最大限にお近付きになっている状況に、頭は状況を処理しきれていないのか、動くことを辞めているようで、折角は話しかけて?くれたのに、何を言っていいのか分からない。

「大丈夫?」
テンパる私に呆れないで、もう一度優しく声を掛けてくれる。

私は、じっと見つめる事も出来ずに、視線を必死に握りしめてるお弁当箱に写した。

心臓は痛いくらいに打ち付けて、気が遠くなりそう。全力疾走したように、顔が暑くて、じっとりと汗が吹き出してくる。

「1人なの?いつも一緒にいる子は?」

私のいつもを知っていることに驚いて、パッと高梨さんを、見上げる。

「雪乃ちゃん?」

「雪乃ちゃんって言うんだ。いつも一緒にごはん食べているよね?」

優しく微笑みを向けられる。

あぁ、神様。
ありがとうございます。
こんなチャンスもう一生無いかも知れない。