僕は歩くのも走るのも辞めた。
辞めざるを得なかった。
文字通りプツンという音がして。
車の音や人の声、足音、衣服の擦れる音までとても大きなそして耳障りな音に変わった。
あんなに好きだった人の暖かさも鬱陶しくなった。
空や風、小鳥の囀りに木々の声、
それらとしか話すことが出来なくなった。
言葉にならない言葉を彼らと交わし続ける。
なんて言ってるかは分からない。
恐らくあちらも。
しかしなぜか感じ取れる気がする。
感じ取られている気がする。
落ち込んでいると風が土が寄り添ってくれた。
喜んでいると空が木々が共に喜んでくれた。
もっとも、今それらを感じることは殆ど無いのだが。
僕に触れる人の手は生温く、
弱さと強さと誇りさえも否定した。
いつまでこんなことを続ければいいんだろう。
憤りを感じました。
続く。