「早く大人になりたかったから、背伸びしてたんだ。
あの頃初恋したから。」

思いもよらない返事に、思わず「えっ!?」と顔を見る。

「ちょっと、危ないよぅ。
ちゃんと前を向いて運転して。」

照れくさいのか、怒ったふりをして誤魔化している。

「早くないか??」

「普通だよ!
むしろ遅いくらいかな。
3年生の頃、クラスメートの子がつき合ってるって言ってたもん。」

はぁっ?!

小学3年生で、つき合ってる!!

どんな時代だよ。

「まさかお前も……………」

「好きな人はいるよ。
デートは何回かしてる。」

えっ………………。

彼氏がいる??

デートも??

「どんな奴だ。
年は?!
いつからだ?
デートは何回行った!」

まだ子供だと思っていた寧々が……………。

まさか………キスとかも…………。

「そんなに沢山質問したら、答えられないよぅ。
年は、ちょっと年上。
短気で俺様で、強引で…………ちょっと悪い奴。
でもホントは………
誰よりも優しくて、温かい人だよ。
デートは………どれくらい行ったかな?
お泊まりも、何回かしてるよ。」

愕然とした。

恋愛にケチをつけるつもりはないし………

寧々が好きになったのなら、応援したいと思っていた。

けど…………

短気で俺様で、強引?!

おまけに、ちょっと悪いって……………。

デートでお泊まりって…………!

洋介やおばさんは、何を考えてるんだ!!