「そっか…お前もいろいろと
大変なんだな…」



「そゆこと。だから雪を俺にくれよ」



「くれって…雪はものじゃねぇよ…」



「いいじゃん、お前は。
家族にめぐまれて
仕事もうまくいってて…。
そのうえ雪みたいな彼女がいて…」



「待て。なんで仕事が上手くいってること
知ってんだ?」



「雪が話してるの聞いた。
あいつ、お前の夢が叶いそうって
めちゃくちゃ喜んでたから」



へ?



「雪…学校でお前のこと
自慢してるんだぞ?
かっこいいだのカメラをかまえてる姿が
最高だの…。
のろけとしか受け取れんな」



「…」



「おい…何にやにやしてんだよ」



「え!」



やべっ。



気づかないうちに口元ゆるんでた…。



俺は顔をもとに戻して
再びカレーを食べ続けた。



すると、高嶋が俺に聞いてきた。



「なぁ…気になってたんだけど…」



「何」