数分たって頭の上から聞こえる声。
見上げたら服を着替えて出てきた高嶋。
「家に案内しろ」
「はっ!?」
「いいから。早く連れてけよ。
これ、お前のバイクか?」
「そうだけど…って、お前
うち来る気か!?…おい!!」
俺を無視してさっさと
バイクに乗り出す。
「これ、雪のヘルメットか…」
そうつぶやくと雪の
薄ピンクのヘルメットをかぶりだした。
「ちょっ!…なんでそれかぶるんだよ」
「だって…ヘルメットかぶらねぇと…」
「お前は俺のかぶってろ!」
高嶋が持っているヘルメットを奪い
横にかけてある俺のヘルメットを
高嶋に渡した。
「お前はそれかぶんのかよ…」
「俺はかぶらねぇよ。
これは雪専用だっつーの」
「へぇ~…専用ねぇ」
ぶつぶつ文句を言いながら
俺のヘルメットをかぶる。
それを確認した俺はいやいやながら
家まで連れて行った。
「ほら、入れよ」
本当は家にあげたくないけど…
家の中にご案内。