「え?うん。っていうか…光輝以外は
ほとんどみんな知ってると思うよ」



え!?



確かに…俺以外香奈さんの姿に
驚く人は誰もいない。



なんで俺だけ?ひどくね?



「それより、雪ちゃんデビューして
1ヶ月だね。もう撮影慣れた?」



「はい。すっごく楽しいです」



「雪ちゃん!そろそろ準備してっ」



「あっはい!それじゃあ香奈さん」



「頑張って!」



雪は俺達から離れてセットに
走っていった。



「お願いしまーすっ!」



カメラマンにお辞儀をして
いつものようにポーズをとる雪。



「へぇ~…雪ちゃん、意外とやるわね?」



「ですよね…雪にこんな才能があるなんて
正直驚いてます」



「生まれもった力…」



「え?」



「…あたしは…そんな気がするな」



腕を組んで意味深な笑いをする香奈さんに
俺は首をひねった。