「あたし…」



「いくら雪ちゃんに才能があろうが…
モデルとしての素質があろうが…
雪ちゃんにやる気がないと
まったく意味が無い」



「あたし…」



「どうだ?…やる気…あるか?」



雪はうつむいて、



「あたし…期待されてるんですか?」



「そうだよ」



「あたし…頑張れば…頑張れば
本当に香奈さんみたいなモデルに
なれるんでしょうか?」



「なれるさ」



きっぱりと言った渡部さん。



その言葉に少し驚いたけど少し笑って、



「あたし…やります…」



「雪!?」



「本当に…あたしがモデルなんて
考えたことも無かったけど…。
でも…期待されてるなら…
こたえたい…です」



「雪…本当に…いいのか?
無理とかしてないか?」



「してないよ。
誰かに期待される人間だって…
自分がそんな人間なんだって思うと
すっごく嬉しいし…。
ここで光輝の練習モデルやってみて…
とまどいもあったけど、
楽しさがどんどん大きくなって…。
あたし…モデルになりたい」