光輝がそう言うと不思議そうに
首をかしげた。



けどすぐに、



「あぁ!あれか!
そっか…だからわざわざ来たのか…」



「渡部さん」



「そんな怖い顔するなよ。
初めてだな、お前が俺にそんな顔するの。
そんなに雪ちゃんが大事か?」



「そ、そんなこと今はいいんです。
質問に答えてください」



「分かった分かった。…結論から言う。
雪ちゃんをSevenの専属モデルにしたい」



「渡部さん!?」



「滝からスカウトされたんだろ?
今さら驚くな」



「でも…滝さんはゆっくりでいいって
言ってたから…」



「お前のゆっくりの感覚はどうなってる。
もう2ヶ月経ってるんだぞ?」



「それは…」



「お前にも…もちろん雪ちゃんにも
不安があるからこそ悩んでるんだろう。
けど、言っとくがな…滝の
才能を見極める力は本物だ。
もちろん本人のやる気も必要だけど…。
それに滝がスカウトしたということは
俺もスカウトしたと同じこと。
Sevenの専属カメラマンであり
最高責任者でもある俺もな」



「最高責任者?渡部さんが?」



「このたび正式に決定。
Sevenは他の雑誌とは違いモデルはみんな
同じ橘プロダクション所属だろ?
香奈のお母さんである橘香織さんが
経営してる事務所。
社長からつい最近頼まれてな」