「いえいえ。
申し訳ないのはこちらですわ?
長男である光太さんを橘財閥に
婿養子にもらったらそちらも
大変でしょうに…」



「いいんです。その代わりうちを
援助してもらう約束ですから…」



「そうですよ。
光太をばんばんしごいちゃって
立派な跡取りにしてやってくださいな」



盛り上がる大人たち。



子供達はそれを聞きながら
黙々と食べるだけ。



子供いらねぇんじゃね?



…ん?そういえば…。



「あの…克樹さんって
結婚しないんすか?」



「え?俺?俺結婚してるよ?」



「え!?」



「あれ、光輝知らなかったの?
あっ、そっか。
光輝と出会う前に結婚したから」



あれ?



「でも克樹さんって…
いつも実家にいません?」



「あぁ。妻と子供は今外国にいるから」



外国…。



「…なんで?」



「お兄ちゃんの奥さんは
フランスの人なの。
警察官になりたての時にその女性が
事件に巻き込まれちゃってね。
それをお兄ちゃんが命をかけて
助けたのがきっかけで
結婚したんだけど…」