「あぁ雪ちゃん?可愛いよな~」



「お兄さんまで!?あぁ~!
俺だけ知らなかったのかよ~」



そんなに落ち込むことじゃねぇだろ…。



あ、そっか。



アニキは入学式は出てなかったから
分かんなかったのか…。



あれ?なんで出てなかったんだ?



「おい光輝!どうやって山村と…っと
山村って俺のことみたいだな。
雪ちゃん…雪ちゃんと出逢ったのか
まだ聞いてねぇぞ!?
兄弟に隠しごとは無しだろ!?」



今にも泣きそうな顔で
俺に必死にしがみつく。



「別に話さなくても…ってか離せ!
それにアニキだって香奈さんとのこと
黙ってただろう?
いくら香奈さんからの頼みだからって」



「それとこれとは話が別!
どこで雪ちゃんと出逢ったんだよ!」



「あぁ~めんどくせぇ!
香奈さんに聞いてくれ!」



そう言って俺はロビーから出た。



ちらっと後ろを振り向くと
3人がしんみになって話し込んでる。



俺何度も雪のこと説明するの
嫌なんだよな~…。



あんなつらいことがあったこともう
口に出したくないし思い出したくもない。



今は俺の手で幸せにしてやるんだから
関係ないし…。