「山村がいつも守ってくれる羊に
心を許したら狼に大変身~!とかな?」
「何言ってんだお前、バカか」
「まぁそうならないうちに
早く釘をさしとくんだな。
それか上手く虫かごにしまっとけ?
利用するのはかまわないけどあんまり
傷つけたらだめだからな?」
「はぁ…」
「ほら着いた」
いつのまにか高級そうなホテルに到着。
車を止めてロビーへ向かうと
そこには香奈さんと克樹さんがいた。
「あっ!来た来た」
「よぉ、久しぶり」
「遅くなって悪かったな香奈。
お久しぶりですお兄さん」
「そんな堅苦しくすんなよ。
…お兄さんって。なんか響きいいな?」
にやにやしながらお兄さんの響きに
ときめいている克樹さん。
「そうだ、香奈!光輝の奴俺の高校の
生徒と一緒に住んでるんだって!」
アニキは何かを思いついたかのように
香奈さんに話し始めた。
「へ?あたし知ってたよ?」
「あ!?なんで言わなかったんだよ!?」
「だって光太はもう知ってるかと
思ったから~。ごめん!」