「俺、雪の彼氏の山村光輝。
別にモデルでも俳優でもないんで
そこのところ勘違いしないように。
学校で雪のことよろしくね?
雪のお友達さん」
それだけ言うと雪を連れて門を出た。
「あぁ~…疲れた。
いまどきの女子高生って元気だな」
首を回しながらバイクにまたがり
ヘルメットをかぶった。
「あの…本当にごめんね?
1回会ったらそれでいいって
みんな言ったから…」
「もういいって。
そりゃ高校生がバイクで送って
もらうなんてびっくりして当然だし。
みんな知りたくもなるよ、気にすんな」
そう言いながら雪の頭に
ヘルメットをかぶせた。
「…うん。ありがと、光輝」
笑顔でそう言ってバイクの後ろに乗った。
「モカ~♡」
部屋に着くなりモカのとこにかけよる雪。
まぁ、いつものことだけど。
ちょっといらっとする。
「雪、俺今日用があって遅くなるから
香奈さんのとこ行っててな?
そろそろ迎えに来てくれると思うから」
「用?」