クックックッ、と引き笑いをした大和先輩は


「なるほど、あいつが惹かれるわけだわ」


───そう言って、わたしを見つめたその瞳は、なぜだかすごく優しく感じた。



……ていうか、大和先輩は、何の話をしてるんだろう……。


疑問に思いながら先輩を見ていると、不意にポケットからスマホを取り出して手短に操作したあと、すぐにそれをポケットに突っ込む。


「ちょっと ごめんな」


そう呟いた後、先輩の手が急に伸びてきて思わずギュッと、目を閉じた。

──その瞬間、わたしの頭にふわりと乗って、目を開けるのと同時に「えっ…」と小さな声を漏らす。


「あと少し待ってな」

「 ? 」

何を、待つんだろう……。

それに、頭に置かれた手は何?

紬ちゃんに助けを求めようと思って目で合図を送ってみるけど、なぜかニコッと笑われただけ。