「うー…緊張する。」


先輩のお友達にお礼をしに行くため購買でジュースを買ったはいいものの、そこから勇気がなく、なかなか進めていない。

…ってそれよりも肝心なことに気がついた。


「ねぇ、紬ちゃん。わたし、先輩のお友達がどのクラスにいるか聞いてないの…。」

「え」

「だ、だから どうしよう…」


そもそも智紘先輩がどのクラスにいるのかも分かっていないのに、こんなんで友達になったって言えるのかなぁ。

わたし先輩のこと、何も知らない。


「久遠先輩は たしか……2組だったかな」

「紬ちゃん知ってるの?」

「知ってるっていうか、わたしの友達が久遠先輩のことで騒いでたから覚えたというか…」

「そう、なんだ。」


……なんか、わたしだけ先輩のこと何も見らないみたいで、ちょっとさみしいな……。

もう何度も一緒にご飯を食べているのに、先輩の話聞いたことないや。


「春香」


───紬ちゃんの声でハッとすると、廊下の真ん中で立ち止まっていたわたし。