わたしが思ってたお礼……
よく分かってなかったけど───
「…豪華なお礼をしなきゃいけないのかなって思ってたの。だから、“ありがとうございます”ってだけでも お礼に当てはまるとは思ってなかった。」
お礼を言うのは当たり前のこと。
わたしが考えていたのは、そのあとのこと。
何をすれば感謝の気持ちが伝わるのだろうか悩んでいたけど、お礼を言うだけでも ちゃんと気持ちって伝わるんだ───
「久遠先輩の友達に会いに行くの?」
「え? うん、まぁ…」
「春香が一人で?」
「…!」
そ、そうだ。そこを忘れてた。
お礼のことばかりを考えていたから肝心なところが……
今の話の流れだと、わたし一人で行くことになるけど…
そんなの無理だよ。どうしよう。──と、涙目になるわたしを見兼ねて紬ちゃんが──
「一緒、行こうか?」
眉を八の字に下げて、笑った。
「…いいの!?」
「春香が心配だからね」
「ありがとう、紬ちゃん…!」