冗談じゃない。勝手に決めないでよ!?
私は、呆れていると陛下は、クスッと笑ってきた。
「これも何かの縁だ。
困った時に助け合うのも大切なことだ」
いや……助け合うって。
そもそも、そんな寄り道していていいのですか?
自分の命だって危なくなるのに……。
「ほぅ……お主達は、それでいいのか?
共に戦えば、命だって狙われる。
お主達にしたらまったく関係のない戦だぞ?」
祖父は、疑ったらように言ってきた。
信用をしていないのだろう。
しかし陛下は、気にせずニコッと笑った。
「困っている人を目の前に居るのに
見捨てるような人間は、国王に向きません。
俺は、そんな人間になりたくない」
「だが、それは……お前の国の話だ」
「いえ……アイリスは、この国の血を引いています。
俺は、アイリスを妻として迎えたい。
だとすればあなた達とは、親族関係なる。
他人の国ではありません」
ハッキリとそう言ってくれた。陛下!?
陛下の気持ちに驚いたが嬉しかった。
その場を納めるための嘘でも
そんな風に言ってくれたのが嬉しかったからだ。
ジッと真剣な目を見ていた祖父は、アハハッと
また豪快に笑った。
「なるほど……実に面白い男だ。いいだろう。
しかし紅葉の血を引いていても忍びではないアイリスや
王族のお前達に勝ち目があるとは思えん。
なら、アイリスとやらに我々の秘伝の術を授けるとしよう」
秘伝の術!?
祖父は、私に秘伝の術を授けると言ってきた。
一体どんな術なのだろうか?
「半蔵殿。そのような奴に秘伝の術を
教える気だなんて危険だ!!
何を企んでいるか分からない輩だぞ?」
老人の2人は、反対をしてきた。
当然と言えば当然だろう。だが祖父は……。
「アハハッ……大丈夫だ。
それに、いくら紅葉の血を引いていても
そうそう出来る術でもない。
お前さんの実力次第だ。試してみるか?」