あの方がアルフェット大国の国王と陛下の妹君。
マリア様は、チラッと遠くから見た事は、
あったが本当に綺麗なお方だった。
清楚で気品溢れていて同じ女でも住む世界が
違うような美しさだった。

「さぁ、アイリス。
君も一緒に出るんだ!」

「えっ……えぇっ!?ルチア様」

陛下に無理やり連れて行かれて
皆の前に出るはめになってしまった。
ちょっと待って。私妃でも何でもないから!?

『そして我だ。ギルス大国から
ルチアーノ・ギルス国王陛下でございます』

抵抗も虚しく紹介をされるとたくさんの人から
拍手で迎えられた。
そして私を見てざわついた。

無理もない王族関係者ではないのに
私みたいなのが陛下の隣に居るのだから
しかし陛下は、それを気にすることもなく
挨拶をしていた。

「今日は、私のために多くの人が集まって頂き
ありがとうございます。
どうぞ、楽しんで行って下さい」

ニコッと優雅に微笑むと女性達から
黄色い声援が聞こえてきた。
さすが陛下だ。堂々とした立ち振舞いだ。

そして華やかなパーティーが始まると
陛下の前にたくさんの姫君達が集まりだした。
他の方々にも挨拶をしているが
改めて陛下の人気が凄いものだと知った。

途中で駆け寄ってきた幼い
姪のジュリア姫様を抱き上げた。
さすが、姪だけあってお人形のような金髪の美少女だ。
陛下も可愛がっていた。

あれだけ美形で気さくな陛下なのだから
当たり前と言えば当たり前なのだが
何だか少し寂しくなる。
私1人だけ取り残されてしまった。すると

「失礼。あなたは、さっきルチア国王陛下と
一緒におられましたが、どのようなご関係で?」

私に何人かの男性達が声をかけてきた。
えっ?私に?
急に話しかけられたので驚いてしまった。

「わ、私は、ルチア様の専属騎士ですので」