陛下の心遣いに胸がキュンとなった。
お言葉に甘えて私は、陛下の隣に座らしてもらった。
そしてミシンで縫っている陛下を眺めていた。
器用に縫っていく姿は、真剣で
とてもカッコよく見えた。普段は、マイペースで
自由奔放な人だが陛下の心遣いや優しさは、
何だかあたたかい気持ちにさせる。
私は、そのあたたかさが大好きだった。
ウトウトといつの間にか私は、眠ってしまった。
すると陛下は、クスッと微笑むと
私をお姫様抱っこすると寝室に連れて行ってくれた。
それから数日後。
ドレスの仮縫いまで終わった。
私は、陛下の指示通りに試着してみる。
「どうだ?キツくないか?」
「大丈夫です。うわぁ~素敵」
着てみせるとサイズもピッタリで丁度良かった。
上等なレースをふんだんに使っていて
淡い水色の可愛らしいドレスだった。
「ウェストは、ピッタリだが余裕がないなぁ……。
アイリス。お前……少し太ったか?」
「失礼ですね。太ってなんかいません」
そう言ったものの確かに少し太った。と言っても
2㎏ぐらいだが。陛下が強引に料理とか
食べさせてくるから。美味しい料理にデザートばかり
うぅっ……これ以上太らないように
気をつけなくちゃあ……。そう思っていると
陛下は、後ろから抱き締めてきた。
「何、気を付けるのは、このドレスを着る
パーティーの時だけでいい。コルセットをするから
問題ないだろう。それよりアイリスは、胸があるが
痩せているからこれぐらい体重があった方がいい。
体力が付かないからな」
そう言いながら私の胸を触ってくるではないか。
ちょっとどさくさに紛れて何処触っているのよ!?
「ちょっとルチア様。
何処を触っているんですか?」
「胸だが。いや……お前の胸は、
相変わらず柔らかくして触り心地がいいな」
「だからと言って触る理由にはなりません。
もう……油断も隙もない」