「ルチア様のバカ!!」
「あ、おい!?アイリス?」
私は、ショックのあまり部屋を飛び出してしまった。
どうしたんだ?と意味の分からない陛下は、
首を傾げていたが。それを見ながらリュウ様は、
やれやれと呆れた表情をしていた。
「まったく。ルチア……君は、相変わらずだね。
別にアイリスの身体で選んだんじゃないだろ?」
「いや。あの魅惑のヒップに惹かれたのは本当だ。
だがアイリスの身体能力……剣の実力は本物。
試合でも圧倒的にずば抜けていた。
ボディガードにしたら百人力だろう?」
リュウ様の言葉に陛下は、ニヤリと笑うと
紅茶を飲んだ。それを見てリュウ様は、
呆れながらもクスッと笑った。
「本当……食えない奴だな。君は……」
「それよりもリュウ。顔の広くて旅好きな
お前に聞きたいことがある」
「うん?何かな?」
陛下とリュウ様は、何かを話していた。
しかし、その事を知らない私は、庭で泣いていた。
悔しい…。選ばれた理由が
あんないかがわしい理由だなんて……。
私も陛下に憧れもあったしそばでお守り出来たらと
動機が微妙だけどそれも国を愛するがためでもあるわ。
陛下に何か遭ったら我が国の終わりだから
でも、あんな理由だなんて……。
涙が溢れて止まらない。
するとガサッと物音が聞こえてきた。
もしや……敵か!?
私は、慌てて太ももから両手で短剣を取り出すと
立ち上がり構えた。
「うわっ……俺だよ!?俺……」
「リュウ様!!」