「あの……ルチア様。どちら様で?」
「あぁこの男は、リュウ・ヒルストン。
ヒルストン公爵だ。俺の幼なじみでもあるが
アイリスは、初めて会うな」
陛下が代わりに自己紹介をしてくれた。
ヒルストン公爵!?
階級の中で1番の偉いお方だ。しかも
陛下の幼なじみとは……。
「それより何で来た?最近まで隣の国
アルフェットに遊びに行っていたはずだが?」
「あぁ、さすがにいつまでも
家を空けておく訳には、行かなくてね。
仕事もあるし……それよりも随分と
可愛らしくて魅力的なメイドさんと一緒に
居るじゃないか。いつの間に見つけたんだい?」
えっ……?
しかし、すぐにハッとした。
自分は、随分と凄い格好で居ることに。
陛下の膝の上に乗って居るではないか。
「キャアッ!?し、失礼しました」
私は、慌てて立ち上がると
乱れた服を直しながら頭を下げた。
「フフッ……別に良かったのに」
リュウ様は、クスクスと笑いながら許してくれた。
恥ずかしい……。
その後、慌ててお茶の準備をして
リュウ様をもてなした。
「しかし何の用だ?俺に話でもあるのか?」
途中でやめることになったので
陛下は、何だか不機嫌そうだった。
リュウ様は、慣れているのか
クスクスと笑いながらお茶を飲んでいた。
「いや、久しぶりに故郷に戻って来たから
君に挨拶をしようと思ってね。
それに最近可愛いらしいメイドを雇ったと噂で
聞いたから、どんな子か見たくなってね」
可愛らしいメイド!?
可愛いと言われるのは、嬉しいが
メイドを雇ったって噂が流れているの?
私は、騎士なのだから噂になるなら
腕利きの女騎士とかで言われたい。
これだとただのメイドだし……。