「国内で戦力を育てている我々と違い
イージスは、外部から強い戦力を集める習性がある。
それにあそこの国王は、物珍しいモノを好むからな。
戦力になり謎の多い東洋の忍者なら欲しがるのも
無理はない。そのためには、大金ぐらい
惜しみなく出すだろう。
そうやって大きくしてきた国だしな」

陛下の言葉に開いた口が塞がらなかった。
そのために忍者を雇ったってこと!?
陛下を暗殺してさらに国を大きくするために……。

「許せない……そんなこと」

「あぁ、本当に。困った国だ……」

国王陛下は、そう言いながら
私の太ももスリスリと触ってきた。
思わずビクッと反応してしまった。

「ちょっと、こんな大事な時に
何、人の太ももを触っているんですか!?」

しかし国王陛下は、クスッと笑うと
私をギュッと抱き締めてきた。
心臓がドキドキと高鳴ってしまった。

「大変だからこそ、人肌が恋しくなるもんだ。
特に、この滑らかな肌は……大事件だ」

うんうんと言いながらスリスリと擦り寄せてくる。
いや、絶対に分かっていない。
自分の命が狙われているのに相変わらず
マイペースな陛下に呆れてしまう。
続けようとするので拒んでいると誰かが入ってきた。

「おや。お取り込み中だったかな?」

だ、だれ……!?
中に入って来たのは、陛下ほどには及ばないが
銀髪のとてもカッコいい男性だった。

「なんだリュウか?」

「やぁ、ルチア。久しぶり」

親しいそうに陛下を呼び捨てにしていた。
お知り合いだろうか?
陛下にタメ口で話すぐらいだし……。