孤児で孤児院に育ったため教学みたいなまともな
教育は、受けていない。
ほとんど武術や格闘技ばかりだった。

「あぁ、そうだったな。なら仕方がない。
俺が読んでやる」

そう言いながら陛下は、飛びっきりの笑顔を見せてきた。
うっ……何だか悪い気がしてならない。
そして国王陛下に読んでもらったのだが
何故だか膝の上に乗せられた。

「ルチア様。何故このような体勢を……」

「ほら、大人しくしろ。
それは、お互いに読みやすくするためだ。

いや、絶対に違うと思いますから。
しかし国王陛下は、構わずに本を読み始めた。 
東洋のことを……。

日本は、遠くにある小さな国らしい。
そこの1つの民族に忍者と呼ばれている。
姿を隠し密偵や暗殺などの闇の仕事を中心に
引き受けている。中には、スパイとして変装をして
忍び込むこともあるとか。

それ以外にも忍術や姿など
いろんなことを本には書かれていた。
だとすると、あのマスクの男は、忍者ってことか……。
あの軽やかな身のこなしただ者ではないことは、
すぐに分かったが。

「だとしても何故……東洋の忍者が
我々……ギルス大国を狙うのでしょうか?」

私は、1つの疑問が生まれた。
東洋……日本とギルスとは、争った事もないし
恨まれる覚えはないのだが……?
すると陛下は、ふぅっ……とため息を吐いてきた。

「あぁ、そうだ。日本と我々は、関わり合いはない。
だが、しかし。依頼のターゲットにされているのなら
話は、別だろうな」

依頼のターゲット!?
陛下の言葉に驚かされた。
ターゲットってことは、陛下の暗殺が?

「著書には、忍者とは依頼があれば確実に
どんな相手だろうと暗殺を成功させると書いてある。
なら、俺が依頼のターゲットになっているのなら
話がつく。依頼主は、イージスと言ったところか」

イージスですって!?