「それが……」
私は、陛下達にさっきまでの出来事を全て話した。
謎のマスクの男の事も含めて。
陛下は、それを黙って聞いてくれた。
他のメイドに治療をしてもらいながらだが。
するとジョンが口を開いた。
「それで……そのマスクの男は、
お前に忍びの才能だと言ったですか?」
「はい。」
ジョンは、チラッと陛下を見ると陛下は、
ふぅっ……とため息を吐いた。
何故ため息を吐くのだろうか?
私は、不思議そうに首を傾げると
「なるほどな。それなら辻褄が合う。
今回の件は、東洋の忍者が絡んでいるようだ!」
東洋の忍者!?……って何?
初めて聞く単語に頭が混乱する。
するとジョンは、私に分かるように説明してくれた。
「東洋……日本には、古くから
忍者と言う民族があります。これらは、
闇に潜み密偵や暗殺などをメインにやる言わば
スパイや暗殺集団と言ったところでしょうか」
暗殺集団……!?
だから、あんなに暗殺に関して長けていたの?
あの身軽さも……忍びだから?
でも、それでもギルスとは無関係だし。
「でも何で東洋の忍びがルチア様を狙うのでしょうか?
それこそギルスとは、関係がありません」
「それは、俺にも分からない。
しかし相手が東洋の忍びだとしたら
気を付けた方がいいな。アイツらは、
何やら不思議な忍術を使うと言う話がある。
確か、この辺に……」
国王陛下は、そう言いながら
たくさんある本棚から1冊の本を取り出した。
パラパラッとページをめくると私に見せてきた。
「この本に東洋の事や忍びの事などが書いてある」
この本に……!?
私は、その本を受け取ると見てみた。
だがしかし……。
「ルチア様……私、字が読めません」