「仕方がないな。俺が洗ってやろう。
お前のその美しい髪から身体の隅から隅までな」

国王陛下は、私を見るなり
ニコッと微笑んだ。その笑顔にゾッとした。
まだ、ヤる気なの!?
国王陛下の底知れぬ体力に意気消沈した。

そして国王陛下は、私を隅から隅まで
洗ってくれた。
それは……もう。言えないところまで丁重に。
お風呂から出ると私は、バスタオルを巻いた状態で
虫の息になっていた。
なのに国王陛下は、ニコニコと上機嫌だ。

「なぁなぁ、アイリス。今日は、
どのメイド服と下着にする?
これか?俺は、これとこれも捨てがたいのだが」

自分は、ズボンに上半身裸のまま私のメイド服と
下着を選んでいた。
国王陛下は、いつも私のメイド服と下着を
コーディネートして下さる。
普通の指定のメイド服でいいのだが
それだと見分けがつかんとか、面白くないとか言い
自分で選ぶと言い出した。

しかし、それには問題があった。
国王陛下の選ぶ特注のメイド服と下着は、
とにかく露出が多いからだ。
選ぶのに迷っている物なんて生地が少ない。
あれなんて、もう丈がギリギリ過ぎて
スカートの役割を果たしていないわよ!?
こんなのを着て歩けってか?

「ルチア様。お願いですから普通のにして下さい」

「何を言うか。このメイド服なんて
まさに男のロマンではないか」

「男のロマンだかマロンだか知りませんけど
絶対に嫌ですから」

国王陛下は、自信満々で言ってきたが冗談ではない。
こんなので着て歩いていたらただの変態ではないか。
しかも自分から国王陛下を喜ばしてどうする気よ!?
私は、着ないわよ……そんなの。

「はぁっ?嫌だとはなんだ。
お前……それでも男……あ、間違えた。
それでも俺の専属メイドか!!」

ちょっと私は、専属メイドではなくて
騎士で、ボディーガードなんですけど。
そう主張するが結局散々国王陛下と揉めたあげく
何とかやや落ち着いた?メイド服と下着に決まった。
と言っても普通のメイド服ではない。
胸元が見えるし丈がギリギリのミニスカだ。

本当なら太ももとウェストポーチにつけてある
複数の短剣(ナイフ)は、スカートで隠れており
メイドとして身分を隠しているはずなのに
これだと騎士だと丸分かりだ。
しかも動きやすいが少しでも屈んだり
跳び跳ねたりすれば下着まで見えてしまう。
ちなみに下着は、白のレースの紐パンだ。
スパッツもダメだと言うし……。