ボディーガードのくせに居眠りをしているなんて
その間に国王陛下の身に何かあったら
どうする気だ!!

毛布を掛けられていたが私は、慌てて
起き上がると国王陛下を捜した。
また何処かに行っていないといいのけど……。

「ねぇ、ルチア様を見なかった?」

他のメイド達に尋ねると
ホールの方で見たと教えてくれた。
私は、慌ててホールに出向くと陛下を見つけた。
国王の椅子に座って他の騎士達から報告を受けていた。
私は、こっそりとその話を盗み聞きをしてしまう。

「なるほどな。門番が2人……遺体となって
発見されていたか」

えっ?門番が……。
門番は、腕利きの兵や騎士達のはずよ!?

「はい。しかも服を全部盗られて
下着だけだったそうです。
多分……門番のふりをして潜入をしたのかと」

騎士の言葉に私は、驚かされた。
門番のふり……?
だから誰にも疑われずに中に潜入が出来たの!?

「疑われずに……となると相手は、
かなりの変装の使い手だな。
なるほど……道理で見つからないはずだ」

陛下は、それを聞いて可笑しそうに笑った。
笑い事ではない……一大事じゃない!!
しかも変装までしているのよ……。

「ルチア様。笑い事ではありませんよ。
変装の名人となると……いつ何処から
潜り込んでいるか分かりません」

ジョンが呆れたように言ってきた。
そうよ、そうよ。
ジョン……もっと言ってやって。

「何、大したもんだと思ってな。
取り合えず警備をもっと厳重に固めろ。
何かおかしい行動をする奴が居たら殺さずに
捕まえて俺の前に見せるように。いいな?」

「承知致しました」