私は、悩みながらそのことばかり考えていた。
しかし1人だと答えは見つからない。
夜になると友人のミアにそのことで相談した。
彼女なら信頼が出来るし黙ってくれると信じていた。
「えっ?そんな事が……」
「うん。ルチア様は、民の皆を信じてくれたけど
疑いが晴れた訳ではないし。謎が多いし……」
「まぁ、確かに謎だらけだよね。
でもさ……民だって人間。
もしかしたらルチア様達に不満を抱いている人も
居るかもしれないわよ?ルチア様だって
裏では、疑っているのかも」
「そんな人、居るわけないじゃない。
ルチア様は、能天気でマイペースだけど
国や民を1番に考えてくれてる人よ!!」
陛下が民を疑うなんて考えたことないし
民と仲のいい陛下に不満を抱く人がいる訳がないわ。
私は、ムキになって怒った。
「嫌だ……冗談よ。私だってルチア様に
不満を持っている人なんていないと信じているわよ。
犯人は、きっと他に居るわよ!」
「……うん。そうだよね。
急に怒ったりしてごめん。ミア」
私の手で見つけないと。
そうしたら、きっと疑いが晴れるわ。
私は、気持ちがモヤモヤしたまま寝室に向かった。
ハァッ……とため息を吐きながらドアを開けると
「アイリス。カモーン」
国王陛下がベッドで横になりながら
手招きをしていた。私は、全身から力が抜けた。
人が悩んでいるのに……陛下ったら
何のんきに私を誘っているのよ!?
「ルチア様。何がカモーンって誘っているんですか」
「うん?何か不満か?」
「分かっているんですか?ルチア様。
あなたは、狙われているんですよ?
もっと気を引き締めて下さい」