こうして私は、国に戻ると陛下と
結婚することになった。と言ってもすぐに
出来た訳じゃない。
帰ったらイージスに言い逃れの出来ない証拠と書類を
証言に起こし本当にイージスの国王を王座から
引きずり落とした。

国は、傘下にしてまた新たに国を広げることに
成功した。もちろん。イージスの民の生活は、
変わらないまま、いやむしろ圧力と権力で
民を従わせていたイージスの前国王と違い
陛下になってからの方が豊かになっていた。
これも国王陛下の実力だろう。

それからも式のためのウェディングドレスを
作ったりと多忙のためやっと落ち着いた頃には、
私は、出産していた。元気な男の子だった。

名前は、エディファード(愛称エディ)
次期の跡継ぎ候補になる。
陛下だけではなく国全体で息子の誕生を喜んでくれた。
のち私達は、無事に結婚式を迎えて夫婦になった。
そして数ヶ月後。

「あら、ルチア様もエディも何処に
行ったのかしら?」

2人の姿が無いため捜していると裏庭で見つけるのだが
汚れてもいい格好に麦わら帽子。
しかもエディを背負った陛下が畑仕事をしていた。
まるで子煩悩な農家の青年の姿だった。

「ルチア様。なんですか!?
その格好は……」

「おーアイリス。何って
見ての通り畑仕事だが?」

いや。それは、見たら分かりますから。
そうではなくて……。
何故そんな格好で畑仕事をしているのかを
聞きたいのよ!?

「あなたは、国王陛下なんですから
仕事をして下さい!!」

「何を言うか?これも大切な仕事だ。
見ろ。この収穫した野菜を」

「いやいや。あなたの場合は、
ただの趣味でしょーが!!
いいから。自分の与えられた仕事を優先して下さい」

まったく。陛下は、父親になっても
この性格は、変わらなかった。
それどころか、たまにエディを連れて街まで
行ってしまうので捜す身にもなってほしいものだ。

「え~まだ収穫の途中なのに」

「え~じゃありません!!」

強い口調で国王陛下に言っていたら
怒鳴り声に驚いたのかエディが泣き出してしまった。

「おーよしよし。
急に怒鳴ったりして怖いママでちゅねぇ~」

「ルチア様!!」

こうして私の生活は、いつも陛下に振り回されて
賑わしかったのだった。
ハァッ……やれやれ。
 

END。