私は、プロポーズを承諾した。
晴れて国王陛下の婚約者になった。
嬉しくて涙を流していると
陛下は、おでこにキスをしてくれた。
そして見つめ合うと唇に触れようとした瞬間。
「おい、お前らの俺が居る事を忘れるな?
それよりもイージスとの件は、
どうしたんだ?ルチア」
横から割り込むリュウ様。
リュウ様!?あっそうだった。
すっかりイージスの事を忘れていたわ!!
イージスは、陛下を暗殺するように
東洋に頼んだ悪い奴らだ。伊賀が解決しても
この案件とは、また別の話。
また新たに刺客を頼んだらどうしよう。
私は、不安そうにしていると陛下は、
ニヤリと笑った。
「心配をしなくてもすでに手を打ってある。
これをアイリスの祖父から頂いた」
そう言うと何処からか紙を出して
私達に見せてくれた。
これは……報告書!?
「これは、イージスが伊賀に送った契約書だ。
ここに俺を暗殺するようにと金額まで
詳しく書いてある。これを証拠に見せば、イージスも
言い逃れが出来なくなる。これを証拠に
イージスの国王を王座から引きずり下ろす。
そうなれば、もう悪さも出来なくなるし
これを期にギルスの傘下にするとしよう。
もちろん。イージスの民達には、不自由はさせない。
いや。それ以上に豊かにしてみせる」
凄い……いつの間に
そんな物を手に入れたのだろうか!?
「さすが、仕事が早いな。
しかし、よく渡してくれたな?それを」
「あぁ、きっと信頼をしてくれたんじゃないかな?
今回のことで……」
リュウ様の言葉に陛下は、クスッと笑った。
さすが、陛下だ。
もしかしたら1番侮れない男なのかもしれない。
私は、そう思っていると
何だか急に吐き出しそうになるぐらい
気持ち悪くなってきた。
「うっ……」
こんな時に船酔いかしら?
私は、慌てて陛下に離れるとトイレに向かった。
駆け込むとそのまま嘔吐をしてしまった。
何とか間に合ったから良かったけど……。
まだ胃がムカムカするし気持ちが悪い。