私は、ペンダントをギュッと握り締めると
頭を深々と下げた。
東洋の国に来て良かった。
祖父と母との確執も解けたし何より祖父や
皆に会う事が出来たからだ。

私にとったらいい思い出になった。
祖父は、後ろを向き立ち去ろうとする時に

「また……遊びに来るといい。
今度は、子供でも連れてな」と
言ってくれた。

それって……!?
どうやら私達の事を認めてくれたようだ。
陛下と見ると一緒に喜んだ。
そして、東洋の国を後にしたのだった。

船に乗ると離れて行く東洋の国を見送る。
お別れになると何だか寂しくなっていく。
ボーと見ていると陛下は、隣に現れた。

「どうした?お別れして寂しくなったか?」

「はい。少し……でも平気です。
私は、ギルスの騎士ですから」

私の故郷は、ギルス大国。
それは、今もこれからも変わらない。
ニコッと笑うと陛下は、私を抱き締めてくれた。

「アイリス。無事にお前との祖父にも
挨拶をして認めてもらった。
国に帰ったら式を挙げる準備をしよう。
お前に似合うウェディングドレスを作ってやる」

陛下は、そう言って
私にプロポーズをしてくれた。
突然のプロポーズに私は、驚きと心臓が
ドキドキと高鳴った。

「ルチア様……それって!?」

「あぁ、今回の件もそれを含まれている。
今は、リュウの……ヒルストン伯爵一族の令嬢で
お前を縛るモノは、何もない。
堂々と俺のところに嫁ぎに来い。いや……違うか。
アイリス。好きだ。俺の妻になってほしい」

改めてプロポーズをされた。
こんな嬉しいことはない。
返事は、もちろん決まっている。

「はい。喜んで」