私は、陛下のもとに急いだ。
間に合って……。
しかし、そうなると甲賀の忍びは、黙ってはいない。
「さっきの恨み。返してもらうぞ!」
「幸正様には、指一本触れさせない」
陛下に弓矢を刺された洸牙という男とそれを
庇おうとした男が私の前に立ち塞ごうとしてきた。
チッ……こんな時に。
私は、思わず舌打ちをする。
「邪魔だ!!前を通せ」
私は、両手をクロスさせて
そのまま構わずに突っ込む。しかし洸牙と男は、
同じく突っ込んできた。
お互いに激戦になろうとした。だが、そうなる前に
空から源助と蘭丸が飛んできた。
「コイツらばかりいい格好をさせられるかよ!!」
「あ奴らだけ目立つなんて気に食わぬ」
源助は、強力な拳で。
蘭丸は、剣で洸牙達を攻撃した。
お互いの力が地面を割れるぐらいの破壊力を
見せつけられた。
凄い……破壊力!?
だが、しかし。これは、チャンスだ!
私は、2人に任せて陛下のもとに急いだ。
陛下は、まだ幸正と対決をしていた。
お互いに一歩も譲らない。力は、互角だった。
「ふん。やるな。小僧」
「これでも国王として英才教育を受けているのでね」
「ふん。だが、それだけでは、私には勝てん。
経験の差を教えてやろう」
幸正がそう言うと剣のさらに速くして攻撃してきた。
力強い剣さばきは、圧倒する。
甲賀の当主としての経験の差を見せつけてきた。
「くっ……うわぁっ!?」