幸正は、私まで手に入れると言い出した。
母と重ねているのだろう。馬に降りると剣を抜いた。
だが、そこには、陛下が立ちはだかった。

「あなたの相手は、俺がします」

「ふん。小僧が。お前を倒して
あの娘も手に入れる。紅葉の忘れ形見」

「だったらなおさら通す訳にはいきませんね。
彼女は、俺の妻になる予定なんでね」

「邪魔は、させぬ。
もう二度と離さぬ。紅葉もあの娘も」

幸正は、そのまま突っ込んできた。
そして剣で攻撃をしてきた。
甲賀の当主なだけは、あって速さも実力も申し分ない。
陛下は、剣で受け止めるが圧倒されていた。

「くっ……!!」

しかし、それなら陛下も負けてはいない。
隙を作っては、やり返していた。
ギルス大国をまとめている国王なだけは、あって
その力は、計り知れない。
2人は、激しい攻防戦になっていた。
大変。陛下をお守りしなくては!!
私は、慌てて陛下のもとに急ごうとしたら

「よそ見をしているとは、いい度胸だな!!」

数人の甲賀の忍びが、私に向かってきた。
私は、両手をクロスして構えていると
クラっと一瞬めまいがした。
くっ……こんな時に!!

ヤバいと思った瞬間だった。
誰かが私を通り抜けて交互から敵を倒した。
えっ……!?

「ここは、俺達に任せろ!!」

「早くルチアのもとへ」

振り向いてみるとリュウ様と影近だった。
私を助けて来てくれた。
2人は、私の前に立つと構えた。

「ありがとう。リュウお義兄様、影近」