「逆恨み……?例えそうだったとしても
紅葉は、もう居ない。
私の手にも……こんな屈辱。
こんな裏切られ方は、許すものか」

どうしても許せないらしい。
それが愛なのか執着なのか、分からないけど
彼もまた……。

「だとしても我々は、それを止めないとならない。
この戦は、俺らも譲る気はない」

「そうだね。叔父のためにもこの戦は、譲れない」

陛下とリュウ様が前に出てきてそう言ってきた。
ルチア様。リュウ様。
するとククッと笑う幸正。

「ほう……いい度胸だ。
なら、貴様らこそ始末してやる。かかれ!!」

幸正は、命令をする。
甲賀の忍びは、また一斉にかかってきた。
やはり理解してくれないのか……。

「まったく。困ったものだな。
なら分からせるまでだ。俺らも行くぞ!」

「はい。」

「ふぅ……仕方がないね」

私とリュウ様は、返事をすると立ち向かって行く。
短剣を両手に持つとまたクロスさせる。
次こそは……決める!!

「伊賀奥義。カマイタチの術!!」

風を切るように敵に攻撃する。
その速さは、一瞬で敵を切り裂いた。
向きを直して次の敵に舞うように倒して行った。
それを見ていた幸正は、目を丸くさせて驚いていた。

「あぁ、まさに……紅葉の生き写しだ。
紅葉……次は、手に入れる」