修行は、祖父がつけてくれた。
厳格で厳しかったけど何とか形になってきた。
後は、本番に実戦が出来るかだ。
そして、いつでも動けるように
私は、用意してくれた服装に着替えた。
里の女性が用意をしてくれたのは、
母が昔着ていた忍者服だった。
黒と赤の色で上下が分かれている着物なのだが
帯とミニスカートになっていた。もちろん
スパッツを穿いているけど。
髪もポニーテールにしてみた。
それを見た祖父達は、驚いた表情をしていた。
「これは、驚いた。
その服を着るとますます紅葉に似ているな」
「ほう……紅葉の生き写しみたいだな」
生き写しって、そんなに母に似ているのかしら?
写真でしか見たことがない母だけど
確かに何となく自分に似ていると思ったけど
でも、母みたいに美人じゃない。
似るなら美人が良かったなぁ……と思った。
すると陛下が私の様子を見に来た。
そして私を見るなりギュッと抱き締めてきた。
えぇっ!?
心臓がドキッと高鳴ってしまった。
「この和風の衣装は、いいな。よく似合っている。
新しいメイド服は、この衣装をアレンジして
取り入れよう」
陛下は、そう言ってきた。
め、メイド服に!?
ギルス王国に、こんな感じの服を着たら
かなり目立つし恥ずかしいわ!!
「この服をですか?さすがにそれは……ちょっと」
「何を照れている。こんな愛らしい姿をこの国だけしか
見えないのは、実に勿体ない。
ぜひ、大国でも俺を楽しませろ」
「えっ……!?」
陛下の言葉にさらに
心臓がドキドキと高鳴ってしまった。
いいムードになっていると
「こらこら君達。公衆の場でイチャつかない」と
リュウ様にツッコまれてしまった。
ハッ……嫌だ。私ったら
つい皆が居ることを忘れてしまったわ。
何だかさらに恥ずかしくなってしまった。
すると右京君と左京君が慌ててこちらに来た。