「なに当たり前のこと聞いてんの?」
まるでキスをするかのようなその仕草。
私と工藤くんの呼吸が近い。
風に揺れる工藤くんの前髪が私のおでこを撫でて、心臓がドキドキと暴れ出す。
「く、く、工藤くん、それって……」
「キスしたいって思うってことだけど?」
「~~~……っ、!!!!」
私はもうお手上げだ。
例えからかってるだけだったとしても、素直に嬉しいって思っちゃう。
これ以上のミッションは即中止だ。
触れられたことにも、工藤くんの答えにも、私の心臓はどうにかなっちゃいそうだから。
「深呼吸しとく?」
なんて……勝ち誇った顔で笑う工藤くん。