｢く、工藤くんは、私とその、キス……したいなって思ったことあるのかなって｣


｢は？｣



うわぁ……やっぱり？

だよね。

ちゃんと彼女として見てもらえてるのかなって思ってしまって、だからってこんなことを女子から聞くなんてありえないよね。


キスしたいって言ってるみたいで恥ずかしくなる。

もちろん、したいに決まってるけどそこまではとても口に出さない。


呆れたように息を吐く気配がして、後悔がどっと押し寄せる。



｢な、なんでもないです……｣



やっぱりこんなこと聞かなきゃよかった。
いっちゃんの言う通り焦ることじゃないのはわかってるつもりなのに。


本当に、自分でもバカだなと思う。



｢ごめんなさい。今の質問は忘れてくだ……｣


｢あるよ？｣


｢へ……？｣



離れた距離が再び近くなった。

それは、工藤くんが私の頭の後ろに手を回して、ゆっくりと顔を近づけてきたから。