「春川さんのような人からすると暇な時間も、わたしや工藤くんのような人間にとっては、将来を考える貴重な時間なの。コレはわかるよね?」


「うん……」


「だから、コレだけは言わせてもらいたいなって思って普通科に来ちゃいました。わかってもらえたかな?」



日野原さんはそう言い終えると首をかしげて小さく笑った。

本音を言えば日野原さんを前にして足が震えてる。

スカートを握る手だって汗をかいてる。


……だけど。



「私からも、ちゃんと言いたい。工藤くんの妨げになるようなことなんて、どんなことがあってもしないよ」


「ホント?」


「私……頭はよくないけど……工藤くんのこと応援したいって思ってる。だから、工藤くんを困らせることだけはしない。絶対に……っ」