「そこでわたしからお願いがあるの。彼女なら、工藤くんの今後の妨げになるような行動は控えてほしいの。出来る?」
日野原さんが腕を組んで問いかけてくる。
私の存在が、工藤くんの足を引っ張っているんだろうか。
「ちょっと!!その言い方は……」
ガタンッと大きな音をたてていっちゃんが立ち上がる。
「日菜の、なにを知ってるの!?」
迷うことなくいっちゃんが立ち向かう。
眉を吊り上げて怒るいっちゃんを見た私の頭に、あの頃の記憶がチラついた。
押し寄せるクラスメイト達の悪意。
怖くてなにも言えなくて沈黙した私。
あっち側にいってしまった、詩織ちゃんの怯えた顔。