工藤くん……。 女子には釣り合わないと散々言われていても、私がいないところで工藤くんはそうやって、彼女って言ってくれてたなんて……。 「ねぇ、春川さん?」 嬉しい気持ちを堪えていると、さっきよりも低い日野原さんの声が降ってくる。 「工藤くんとわたしは、今すごく大事な時期なの。意味わかる?」 日野原さんの瞳の奥に揺らめく怒り。 きっとこれが本題だと思う。 まるで私は部外者のような物言いだった。