「それよりも、そろそろ工藤くんに“あのこと”切り出してみようとは思わない?」


「えと……」


「その顔は、アレ?覚えてないって言われるのが怖い……とか?」



その問いかけにすぐに首を横に振った。



「それは違うよいっちゃん。今の私が、なかなか切り出さないだけなんだよね……いざ工藤くんを前にしたら、今の私でホントに大丈夫かな、恥ずかしくないかなって迷っちゃって……」


「“あの時、助けてもらったの私です”……って名乗り出る勇気がまだ持てないと?」


探るような瞳にこくんと頷いてみせる。



「だから頑張りたいなって思ってる……」



期末テストだってそう。
せめて、もう少しだけ私に頑張らせてほしい。