やっとのことで、口を開いた
今一番聞きたいこと

「…なん、で?どうして…?
私、いなくなったんだよ…?
あなたの好きを利用した
彼氏いながらも、あなたにも求めて
辛くなったら、自分勝手に姿消した!」

うまく言葉がでない

「なのにどうして?!
普通嫌いになるでしょう?
嫌いになってよ!
なんで探すの…っ?!」

吐き出した言葉は、私の体力を奪い取る

フラッと、支えきれなくなった身体を力強く捕まえて、彼は耳ともで囁く


「ほんと…罪な女だよ、ゆうなは」

『ゆうな』…
『お前』じゃない
その名前を囁く声にさえ、泣けてくる

罪ってなによ


「だから、償ってもらうよ」

この意味が、私にはわかってしまった
一つ一つの言葉、表情、見ていればわかる
隠された気持ち

でも…ひとつだけわからないことが…ある


その自信…どこからくるの?



「あー…お前が彼氏と別れたのは知ってるから」

「なんで…」

「本気になれば、簡単だよ
今の時代便利だよなー
SNSで色んなツール見つけられる

お前の友達の木下さんとか?」


…は…?

驚く私にクスッと笑いながら答えた
「お前の仲良い木下さん、実は大学の時俺と同じゼミで、仲良くなったんだ
SNSでお前との写真見た時は驚いたわ」


社会人になってから、友達の女子会で知り合い、仲良くなった友達

世界って狭すぎる

そんな世界の中で、一つの国
一つの地域

バッタリ会うのはもしかしたら偶然じゃないのかもしれない


少し間があいて…

さっきまで微笑んでた彼の表情が、不安と決意を表した