「おはよ」
目の前にいる人
それは、一度さよならを、交わした人
「なおき…おはよう」
「おう。誕生日、おめでとう」
「ありがとう」
この21歳の誕生日を、私は一生忘れない
初めてなおきが私に手紙をくれた
それに、私は涙した
初めて…なおきが私に「好きだ」と言ってくれたのに、返せなかった
なおきに、再告白された日
「…どうして今日言うの?どうして今??なんで…もっともっと早く言ってくれなかったのよ…!私が苦しんでる時にっ…」
「ごめん…」
謝らないで
「お前の誕生日、大事な日を…俺以外の誰か…別の男に取られたくなかった…俺との思い出も、覚えていて欲しかった」
そんなの知らない
自分勝手すぎるよ
本当に、いつまでも私を苦しめるんだね…
この人は、私を迷宮に閉じ込める天才